同棲後、水族館でデートするフィリップとアレックス。

登場人物

フィリップ

アレックス


水族館 館外

P:おい…アレックス、なんか顔色悪いぞ。どうした?

A:…水中トンネルがあっただろ?あそこで、ちょっと酔ったかも…。

P:ああ~…暗くて周りがゆらゆら見えるし、平衡感覚が狂ったのかもしんねーな。おまえって車酔いとかしねーのに珍しいな。

A:そうなんだよね…。トンネルのあと、通路がぐるぐる回りながら下がっていってたから、あれでさらにひどくなった感じで…。

P:じゃあ、どこか日陰見つけて休もうぜ。

A:ごめんフィリップ、せっかく久しぶりのデートなのに。

P:なんも謝ることねーって。オレも歩いて疲れたし、休憩しようと思ってたとこ。

A:ありがとう…。

P:お、ちょうどいいとこにベンチあった。アレックス、あそこ座って待ってろ。オレ、ドリンクスタンドで何か飲み物買ってくるからさ。

A:うん。(フィリップが僕の彼氏で幸せだ…)


P:ほら、これ飲めばスッキリするぞ。ペパーミントティー。

A:ありがとう、フィリップ。君のは何?

P:レモネード。オレもさっぱりしたやつ飲みたかったからこれにした。こっちにするか?

A:ううん、ペパーミントティーで大丈夫だよ。

P:水族館って楽しいけど、こう…なんつーか閉じ込められてて窮屈な感じするからな。外に出たときの開放感っつーの?酔う気持ちも分かるよ。

A:うん…。おかげで、ここで休んでたら、だいぶ楽になってきたよ。

P:そうか?良かった。ところでさ、ここって水族館と遊園地がいっしょになってるだろ?

A:うん。同じ敷地内でどっちも遊べるから、特に子ども連れには最適だよね。

P:そうそう。でさ、さっきドリンク買ってるときにチラッと見たら、メリーゴーランドがあったんだ。しかも、水族館だからなのか、馬とか馬車じゃなくてサメとかワニに乗れんの!

A:それぜったい乗らなきゃ!

P:ああ。でも、おまえは今ダメだろ。あんなグルグル回る乗り物。

A:えぇ~~…やだ…僕も君と一緒に乗りたい。

P:ダメだ。もっと気分悪くなったらどうすんだよ。今回はオレだけな。

A:うぅ…。

P:ただし、オレが乗ってるとこ撮って、おまえのアカウントにアップしていいぞ。

A:ほっ、ほんとに!?

P:…ああ。(すげー食いついてきたな…)

フィリップとアレックスの部屋 その日の夜

A:(フィリップが許可してくれたから、思わず連写モードで撮っちゃった…。どの写真も良いな。どの角度から見ても天使だ。困った……選べないぞ。

でも…、これをアップしたら、全世界の人たちが彼の可愛さをさらに知ってしまうということだよな。それってすごく複雑だ。この笑顔を、僕だけのものにしたい。独り占めしていたい。と同時に、沢山の人に彼の素敵な一面を見てほしくもある。

いや、やっぱりシェアしよう。フィリップが載せてもいいって言ってくれるなんてめったにないんだから)

P:アル、なに難しい顔してんだ。まだ気分悪いのか?

A:えっ?そうじゃないよ。なんでもないんだ、心配しないで。

P:そうか…?なにかあったら何でも言えよ。

A:うん、ありがとう…フィリップ。(あっ、もうハートがどんどん増えてる…!コメントも…。なんて書かれてるんだろ)

「この笑顔見てよ!」

「こんなデートしたい~~」

「👌❤️」

「理想の彼氏」

「☺️💕💕」

A:だよね!僕もそう思う!!

P:何がだよ!?

END

(200907)