『Sweet and savory』制作過程
二次創作では何度も描いたけど、オリジナルではダイナーを描いていないことにふと気づき、描くことにした。
タイトルは『甘いもの+塩辛い・スパイシーなもの=美味しい』といった感じの言葉。ここではパンケーキやシェイク、ベーコンやフライドポテトなどで構成されたダイナーの料理を指す。
ラフ
どんなアングルと構図にするか結構迷った。ダイナーの店員さんの制服は可愛いものが多いから描いてみたいけど、主役はあくまで2人とお料理にしたい。そこで、イラスト『Hot chocolate weather』のとき同様、店員さんの背後から見下ろすアングルにした。
下書き+背景線画
アレックスはパンケーキセット(目玉焼き、ベーコン、フライドポテト、サラダ付き)、フィリップはハンバーガーセット(フライドポテト、コールスローと野菜のみの2種のサラダ付き)。ドリンクはアレックスがオレンジジュース、フィリップがストロベリーシェイク。
フライドポテトはチェダーチーズとケチャップがかかっていて、フィリップのほうはハラペーニョのトッピングも足されている。
線画+陰影
おおざっぱな陰影を水彩境界(濁り)の乗算レイヤーでつける。
完成
色塗りはバケツ塗りで特段変わったことはしていない。ブラインドで隠れているが、窓ガラスには”24 hours OPEN”の文字を貼った。それから、今回初めてジュークボックスセレクターを描けたので楽しかった。あれがテーブルの上にあるだけで、一気にアメリカンダイナー感がぐっと増すよね。
さて、ここからは料理の色塗り、特にパンケーキについてのメイキング。今までもカラーイラストには食事風景を描くことが多かったが、今までで一番塗りに時間がかかったと思う。ただ、そのぶん収穫も大きかった。
何も加工していないベース塗りの状態がこちら。フライドポテトの描き方は、こちらの講座を参考にした。簡単明瞭。目から鱗。
ベース
生地の色をバケツ塗り。
焼き目①
「質感ブラシ2」や「ベタ消しU1」で焼き目をつけ、「マーカー2」や「鉛筆」で削る。
焼き目②
「質感ブラシ2」や「しぶき(丸)ブラシ」でさらに焼き目を濃くする。
焼き目③
焼き目②をコピペしたレイヤーを重ね、さらに焼き目を濃くする。
シロップベース
カラメルのような色で赤茶色でベースを塗る。
シロップ効果①+②
シロップベースのレイヤーを2枚複製(オーバーレイ、スクリーンの2枚)して重ねる。
シロップ外枠+ツヤ
シロップの選択境界を描画し、加算・発光レイヤーでツヤ(白色)を描き足す。バターは四角い物体を描いて2面に影をつけて輪郭をぼかしただけ。これでパンケーキは完成!
レイヤーと不透明度は上から順に以下の通り。
【加算・発光50%】ツヤ
【オーバーレイ30%】シロップ効果②
【スクリーン30%】シロップ効果①
【通常100%】バター
【通常30%】シロップベース
【乗算50%】シロップ外枠
【乗算50%】焼き目③
【通常100%】焼き目②
【通常100%】焼き目①
【通常100%】パンケーキベース
※使用ソフト:MediBang Paint
めんどくさがりなのでパンケーキやベーコンの表面はフリー画像を貼りつけて横着しようかなどと考えていたが、一から描いてみたらこれがとても楽しくて夢中になって描けた。バンズのシワなどは「アナログ汚し2」や「質感ブラシ1」でさっとなぞってそれを同じブラシで削っただけで意外とそれらしくなった。
そして、あまり使ったことのなかった「しぶき(丸)ブラシ」が思いの外活躍してくれた。おかげで、目玉焼きの白身やパンケーキ、バンズの表面のぷつぷつした質感をリアルにできた。今後描く機会がまたあるだろう料理なので、この技(というほどでもないけど)は覚えておこう。
参考画像
いずれもフリー画像です。