『Waterfront dining』制作過程

前回はフィリップとアレックスの同棲中の様子を描いたので、今回は同棲を始める前のデートを描いてみました。まだアレックスがサウス・エンジェルのサファリに住んでいた頃の設定です。タイトルも内容そのまま、波止場での食事です。

ラフ①

前回の『Dance to this』同様、コマ割り絵です。後述の参考画像を模写したりトレスしたりしながらラフを描きました。

デート場所は、サザン・ベイ寄りの波止場。そのため、1コマ目の遠景に見える船はポート・エンジェルに停泊(静態保存)しているパシフィカ号ではなく、太平洋を周遊しているどこかの会社の豪華客船という設定です。

ラフ②

骨格を描いて下書きの準備。4コマ目はそのままで大丈夫そうなので省きました。

ボツ絵

2コマ目に入れようと思っていたカッショクペリカンちゃんたち。マリーナ沿いの遊歩道の手すりに留まり、おしゃべりしているみたいで可愛くて気に入っています。全体のバランスを考えてボツにしましたが、またどこかで描けたらいいな。

下書き

ピンク=キャラクター

水色=服

紫=背景

上記3つのレイヤーに分けて描いていきます。(テーブルの線画は最終的にキャラクターと同じレイヤーになりますが、この時点では識別しやすいよう別の色に分けています)

線画

①キャラクター、テーブル

②手すり、看板、灯台、パラソル、床

③遠景

あとから線画の色を調整する際のことを考慮し、3つにレイヤーを分けて線画を描きました。

加えて、指輪と左手首におそろいのブレスレットも描き足しました。普段の2人は、会話集『All day long』の時にフィリップがおそろいで購入したレザー製のブレスレットを着けていることが多いのですが、今回はアレックスがおそろいで購入したシルバーのブレスレットを着けているという設定です。

色塗り(ベース)

比較して頂くとお分かり頂けるかと思いますが、この時点でもほとんど完成品と色が変わりません。

今までは数枚のレイヤーを線画や色の上に乗せてオーバーレイや乗算といった様々な効果を足していましたし、思いもよらぬ仕上がりになるのを楽しんでいました。しかし、それを以前していたようなバケツ塗りに戻したため、ごくシンプルな仕上がりになっています。

また、この時点でアレックスの髪にツヤベタを描き足しました。去年描いた『Subway entrance』などでも同じように描きましたが、もっとツヤベタを入れておけば良かったな~…という1枚絵がたくさんあります。

ただ、こうすると作画コストが上がるので、このくらいの大きさなら問題ありませんが、漫画の大ゴマだとちょっと疲れるんですよね(笑)

完成

発光レイヤーとオーバーレイで照明を追加して完成です!また、線画レイヤー・背景線画レイヤーの下にそれぞれの線画の色をオレンジと水色に変えた乗算レイヤーを作りました。こうすることで、線画が黒一色ではなくなり、色なじみが良くなるので何年もこの方法を取っています。

参考画像

いずれもフリー画像です。見返して思ったのが、グラスの描き方があまりに雑すぎたということ。次にグラスを描くときは、より丁寧に描こうと思います。それから、今回は料理を小さく描いたのであまり描きこみはしませんでしたが、食器の形や色などと共にもっとこだわっていきたいです。

実は、7月に描きたい1枚絵はアイデアが完全に固まっているので、来月の分は今から練ります。きっとまた食事シーンになりそう…(笑)

ですが、しばらくは漫画『Morning dew』の作業に戻るので、おそらく次の1枚絵制作は来月中旬以降になる見込みです。いつもご覧頂き、本当に有難うございます!

返信

次の記事

Reply to Anon